News News

2019.7.10

2019年ブラジル買い付け出張レポートvol.1

コーヒーのある風景

Fazenda MonteAlegre

雄大な自然と最新の農業技術の融合

2019年6月22日~ブラジルのミナスジェライス州モンテベロ・コンセイサドスオウロス・アルフェナスなど複数の町に股がって点在すブラジルを代表する大農園「ファゼンダ・モンテアレグレ」

名前の由来は「山に蛇がいなくて憂いしい」と何とものんびりと牧歌的なイメージですが、昔は今のように解毒剤や血清が無い為、蛇にかまれて亡くなる方もいたほど蛇は恐れられていたという背景があるようです。

 

0C06202E-1E0B-48CB-A177-0B3685000AD2

 

複数のセクターを有する大農園

ファゼンダ・モンテアレグレの最大の武器は、広大な収穫エリアと最先端の農業技術を取り入れながら進化し続け、高品質コーヒーを経済的に生産できるところです。

 

image5

 

社長のジュゼ・フランシスコさんはBSCAの会長を務めた経験もある方で、早くからスペシャルティコーヒーの産業にシフトした1人です。大学の研究機関に社員を派遣し常に新しい技術をアップデートしています。

 

今期の新たな取り組み

発酵プロセスに新たなムーブメントが最近登場しました。

ワインの発酵プロセスなどからインスピレーションを受けた発酵技術をコーヒーに転用したものです。カーボニックマセレーションやアナエロビックファーメンテーションとも呼ばれコーヒーのフレーバーに際立つ特徴を出すという事を前提とした発酵技術です。

一部では高価な価格で取引が始まっていますが、いまだコーヒーにとって有意なものか解明されていない為、実験テストの段階の物です。

 

IMG_3002IMG_3005

 

試験段階ですのでこちらではビニール袋やステンレス製の醗酵槽を使用し、オレンジシュースやパッションフルーツジュースなどをいれ発酵させたものなどを乾燥させていました。派しているチェリーの香りは、普通に干しているものより香りが弱いように感じましたが、問題はローストしてカッピングしてみないと分かりません。

今後、地球規模の気候変動により特有のテロアールが破壊され、本来出るべきフレーバーが出なくなったときにこういった技術が必要になる日が来るかも知れません。しかしコーヒーにとって有効かどうかは解明されていないため未知数です。今後の研究に目が離せません。

 

 

 

2019.5.28

カップオブエクセレンス コロンビアNorth2019落札致しました!

オークション情報

2019 5月22日の深夜に開催されたカップオブエクセレンス コロンビアNorth2019のオークションにてコロンビア La Estella Geisha Honeyを落札致しました。

コロンビアのゲイシャです。

ゲイシャは品種ではないので、全てがカップクォリティが良い訳ではないので見極めが大事となります。事前のカッピングでかなり良い点数でしたので落札でき大変良かったです。

今回のコロンビアは弊社社員が国際審査委員として参画していました。コロンビアという国の特異な自然環境と気候風土の中で育まれた特別なコーヒーを是非、お楽しみ下さい。

 

 

2019.4.9

2019カップオブエクセレンス コロンビアレポートVol.2

コーヒーのある風景

IMG_1622

COEの焙煎度合い。

コンペティションのカッピングに使用されるサンプルの焙煎度は、国内の選ばれた焙煎担当者とACEから選出したヘッドジャッジが予めカッピングして、最も特徴が出るポイントを選んでいます。カラーで見ると微妙に違いが有ります。事前にカラーチェックをする事で、深いからとか浅いということでスコアがぶれないように意識をフラットにします。

IMG_1629IMG_1535

ドライとクラストも非常に大事です。香りの中からクリーンカップや酸の特徴などを探る事が出来ます。Qグレーダーのカッピングと違い加点はありませんが、お客さまが最初に香りをとるのはフレグランス(ドライの香り)とアロマ(お湯を注いだときの香気成分)ですので真剣にチェックします。

IMG_1657

 

欧米のカッパーが早々ジャッジを終える中、時間ぎりぎりまでジャッジしています。

コーヒーサンプルによっては、温度の変化によってかなり変化するものがあります。欧米のカッパーで熱いときの評価だけで終えていく人を見かけますが、原料豆のポテンシャルは、冷めたときにはっきりと出てきます。

フレーバーは熱いときに感じやすいですが、冷めたときに出てくる香りもあります。また、熱いときには気にならなかったClean CupやAfter Tasteも冷めてくるにつれ品質の良し悪しから、差が出てきます。

欧米のカッパーは普段お店で提供しているコーヒーがエスプレッソ主体だと冷めたときの味はあまり気にしないのかも知れません。しかし日本の場合ドリップで提供されるお店が多くあり、コーヒーは時間をかけて飲みますので、冷めたときの印象も評価の対象に入れないと、飲み終わった後の印象が悪くなる可能性があります。スペシャルティコーヒーは、また飲みたくなるコーヒーでなければならないのであれば、冷めた最後のほうも美味しくなくてはなりません。

IMG_1864

今回のトップ10の中にゲイシャが5ロットも入っていました。

しかも10ロット中9ロットがプレジデンシャルアワード(90点以上のスコア)になりました。かなり凄い事です。

!cid_B746A06F-BF45-4DE1-8506-5E25CC8AC21E

今年1位に輝いた生産者。

1位はゲイシャのナチュラル。8位にゲイシャ・ハニーのアナエロビックファーメンテーションが入賞。

今生産国では気候変動の影響を受け、チェリーの成熟期に旱魃になったり、高温が続いたりとフレーバーの構築に悪影響が出ている深刻な状況となっています。その為生産者も少しでも高く売れる、特徴のあるコーヒーを作ろうと、ゲイシャを植えたり、カーボニックマセレーションをはじめとする変わった発酵技術を採用したりと生産現場自体が大きく変わろうとしています。スペシャルティコーヒーは新たな時代へと動き始めました。今後が楽しみです。

!cid_F29D5076-1F90-40E3-8F0A-0F0EBFA11560