美味しいコーヒーとの出会いは、信頼できる生産者との出会いから。
トーアコーヒーが今も昔も変わらずに追い求めている“本当に美味しいコーヒー”の条件は、以下の3点に集約されます。
こうしたコーヒーには、口に含んだ瞬間に感じる豊かな風味、フルーツや花を思わせるフレーバー、後味のキレの良さがあり、味に汚れがなく、またすぐに飲みたくなるような強い印象を残します。良質のコーヒーは、産地それぞれの肥沃な土壌と自然環境がもたらす特有の性質を持っています。
トーアコーヒーはコーヒーの買い付けを商社任せにはせず、1960年代後半から農園の環境を自分たちの目で確かめ、品質を見極めてきました。その考え方は、現在の世界共通の品質味覚基準であるスペシャルティコーヒーおよびカップ・オブ・エクセレンスにすでに共通するものでした。
日本の消費者の嗜好を深く理解するトーアコーヒーは、生産者側に日本の市場動向をフィードバックし、より良い品質向上策を互いに見出すよう努めています。そのために必要な生産設備への投資費用・人件費コストなどはコーヒーの買い取り価格で保証を行うなど、生産者との間に常に持続性のある相互関係を築く努力を行っています。
こうした信頼関係は今や強い絆となっており、安心・安全で美味しいコーヒーを育てる生産者や現地バイヤーとの良好な関係が今日に至るまで続いています。
コーヒー豆の味と品質の見極めはカッピングによって行われます。その木がどんな土壌でどんな育ち方をしたか、木の健康状態や収穫後の豆の管理状態はどうか。カップの中の液体にはそのすべてが表れます。トーアコーヒーには長年の経験を持つカッパーが複数おり、多くの生産者から信頼を得ています。ACE(Alliance for Coffee Excellence Inc.=カップ・オブ・エクセレンスを主催するNPO団体)会員であるトーアコーヒーには各国から複数農園のサンプルが届けられます。私たちはサンプルを均一な条件でテスト焙煎し、日本の軟水を使用してカッピングを行っています。生産国の水質と日本の水質は異なるため、買い付けの最終決定は日本で行っているのです。買い付けにあたって私たちが最も重視することは、味と価格のバランスが取れていること。ACE会員であるトーアコーヒーのカッピング法は『カップ・オブ・エクセレンス』の審査基準とまったく同じです。
長く生産国の状況を見てきたトーアコーヒーは、コーヒーの研究機関へ寄付を行い、気候変動に対応するための品種改良や土壌生成の技術革新などを援助しています。こうした研究の成果は、やがて各国の生産者の栽培技術の向上や高品質コーヒーの生産量拡大へとつながっていきます。生産国と消費国がコーヒービジネスを通じて長く安定的に協働していくためには、生産者へ直接の支援を行うことだけでなく、こうした形で業界全体の底上げに貢献していく姿勢も欠かせません。
コーヒーの育成条件は、海抜、標高、地形、気候風土などに大きく左右されます。良質なチェリーを実らせる健全な木を育て、より風味豊かなコーヒーを生産するためには、周辺地域の豊かな自然環境が今後も変わらず維持されることが必要です。生産者は持続可能な農地の管理技術や周辺環境の保全について常に新しい理論を学び、日々進化する育成技術を学び続けています。さらに、収穫後の品質劣化を防ぐために、出荷までの管理プロセスについても常に新しい方法を取り入れています。それらはすべて、高品質なコーヒーを適正価格で、継続的に消費者にお届けする事へと繋がっていきます。私たちの手元に美味しいコーヒーが届くまでには、コーヒーに関わる多くの人々が、それぞれの立場で努力を重ねている日常があるのです。
後味の汚れ・切れのなさを「コク」「飲み応え」と誤解されてませんか?