News News

2019.4.9

2019カップオブエクセレンス コロンビアレポートVol.2

コーヒーのある風景

IMG_1622

COEの焙煎度合い。

コンペティションのカッピングに使用されるサンプルの焙煎度は、国内の選ばれた焙煎担当者とACEから選出したヘッドジャッジが予めカッピングして、最も特徴が出るポイントを選んでいます。カラーで見ると微妙に違いが有ります。事前にカラーチェックをする事で、深いからとか浅いということでスコアがぶれないように意識をフラットにします。

IMG_1629IMG_1535

ドライとクラストも非常に大事です。香りの中からクリーンカップや酸の特徴などを探る事が出来ます。Qグレーダーのカッピングと違い加点はありませんが、お客さまが最初に香りをとるのはフレグランス(ドライの香り)とアロマ(お湯を注いだときの香気成分)ですので真剣にチェックします。

IMG_1657

 

欧米のカッパーが早々ジャッジを終える中、時間ぎりぎりまでジャッジしています。

コーヒーサンプルによっては、温度の変化によってかなり変化するものがあります。欧米のカッパーで熱いときの評価だけで終えていく人を見かけますが、原料豆のポテンシャルは、冷めたときにはっきりと出てきます。

フレーバーは熱いときに感じやすいですが、冷めたときに出てくる香りもあります。また、熱いときには気にならなかったClean CupやAfter Tasteも冷めてくるにつれ品質の良し悪しから、差が出てきます。

欧米のカッパーは普段お店で提供しているコーヒーがエスプレッソ主体だと冷めたときの味はあまり気にしないのかも知れません。しかし日本の場合ドリップで提供されるお店が多くあり、コーヒーは時間をかけて飲みますので、冷めたときの印象も評価の対象に入れないと、飲み終わった後の印象が悪くなる可能性があります。スペシャルティコーヒーは、また飲みたくなるコーヒーでなければならないのであれば、冷めた最後のほうも美味しくなくてはなりません。

IMG_1864

今回のトップ10の中にゲイシャが5ロットも入っていました。

しかも10ロット中9ロットがプレジデンシャルアワード(90点以上のスコア)になりました。かなり凄い事です。

!cid_B746A06F-BF45-4DE1-8506-5E25CC8AC21E

今年1位に輝いた生産者。

1位はゲイシャのナチュラル。8位にゲイシャ・ハニーのアナエロビックファーメンテーションが入賞。

今生産国では気候変動の影響を受け、チェリーの成熟期に旱魃になったり、高温が続いたりとフレーバーの構築に悪影響が出ている深刻な状況となっています。その為生産者も少しでも高く売れる、特徴のあるコーヒーを作ろうと、ゲイシャを植えたり、カーボニックマセレーションをはじめとする変わった発酵技術を採用したりと生産現場自体が大きく変わろうとしています。スペシャルティコーヒーは新たな時代へと動き始めました。今後が楽しみです。

!cid_F29D5076-1F90-40E3-8F0A-0F0EBFA11560

 

 

2019.4.5

2019カップオブエクセレンス コロンビアレポートVol.1

コーヒーのある風景

2019 カップオブエクセレンス コロンビア国際審査会

27D8EAF2-41DD-4F6E-9058-35165CEC65DF

 

2019年3月26日~29日に、コロンビアの首都ボゴタから飛行機で西へ1時間ほどのところにある、キンディオ県アルメニアでカップオブエクセレンス2019コロンビアN国際審査会が開催されました。コロンビアはボゴタをはじめ都会は犯罪などが多く1人での外出はなるべく避けたほうが良いといわれていたのですが、開催地のアルメニアは非常に穏やかで安全な町でした。アルメニアはコーヒー生産地の中でも最も重要な地区の一つです。

 

colombia4IMG_1607

ブラジルとはまた違うコロンビアの大自然と地方都市アルメニアの町。

 

1:カリブレーション

IMG_1443

ヘッドジャッジのポール・ソンガーさん。

この方のプレゼンテーションは内容があっていつも興味深いです。今回もカッピングシートの使い方とそれぞれの項目の意味や評価のポイントを説明してくれました。

特に酸味の質に関しては分かりやすい解説をしてくれます。

 

image1

 

薬品を水で薄め人口的に酸味のサンプルを作りテスト

 

カリブレーションで酸味の質を見る為に、薬品を水で薄めて酸にフォーカスしたテストをしました。

今まではFully Washedの特徴の酸味だけでしたが、今回はNaturalの酸味の特徴を模した液体もサンプルとして出ており、最近中南米で色々なファーメンテーションに対応するべくカッピングのカリブレーションも進化していました。

 

IMG_1871

コップを使用したカッピングボール。そこが深く口が狭いため液体の温度冷めにくくかなり熱い。ブレイクも攪拌しづらい。

 

IMG_1785

 

WashedのロットとNatural、アナエロビックを含む他のファ-メンテーションのロットをわけて、カッピングテスト。それぞれ品質が異なり、ハイコマーシャルレベル、ロースペシャルティレベル、COE入賞レベル、プレジデンシャルスレベルと混ざっています。

カッパーの尺度の調整になります。カリブレーションのカッピングには同じロットが混ざっているという引っ掛け問題がありますが、拡販や抽出時間で微妙に違いが出たりするので、引っかかります。

 

image3

 

コロンビアのNaturalやGeisha,アナエロビックが流行っているため、今回のコンペティションでも出品されていました。

 

16356057-07fc-4873-ac4f-4b38bb065093

 

フレーバーは強いですが、酸味の質が怪しいものがある為、オークションの落札時には注意が必要なのと、トップ10に入っていなくても素晴らしいコーヒーが隠れている可能性が高い気がしました。という事で、今回のコンペティションは酸味の質に注意してカッピングしてきました。

 

 

 

 

 

 

 

2019.3.19

スペシャルティコーヒー|インド買い付けレポートVol.3

コーヒーのある風景

生産者との新たな取り組み

今回の目的は2つありました。一つは良いロットのコーヒーをその場で選び決める事。(昨今、スペシャルティコーヒーは世界中のバイヤー同士の奪い合いとなっているためインドに限らず、世界中の生産国の現地で決めていかないとなかなか良いロットが手に入らなくなってきました。ここインドではオーストラリア、イタリアなどのヨーロッパ諸国、韓国、日本とわれ先と良いものを選びに来ています。)2つ目は、今回はじめての取り組みとなるエクスプリメンタルテスト(品質向上策を試みる実験)を行うことです。

 

35image

 

収穫したチェリーをグレンプロの中に何日か放置したものをカップテストをしながら検証していく。

 

63image

 

出来上がったサンプルを持ち帰りカッピングによる検証と生産者へのフィードバックを行い来年につなげます。たとえ出来上がったコーヒーが良くても3ヶ月、6ヶ月、1年と時間経過による品質の劣化を検証していかなければなりません。来年以降、検証結果がよければトーアコーヒーも買い付けることになります。

38image

 

今年から始めた黒糖を使用した発酵プロセス。(まずはロブスタを使用しているが、来年以降アラビカでもテストしていくとの事)

41image

 

醗酵槽の中の水温を保つために黒いシートかぶせている。朝晩は水温が冷え、発酵反応が止まってしまう為、それを防ぐの施策。ロブスタは36時間、アラビカは18時間発酵させる。時間は目安な為、Ph計を使い酸度のチェックを行い数値で決める。なぜ、ここでは黒糖を入れているかというとロブスタは元来アラビカ種より甘さが劣っているためそれを補うのだという。(まだ試験段階)

コーヒーは今、地球規模の気候変動により、その土地特有のテロアールが出ずらくなっています。そのため生産者がフレーバーを出そうと試行錯誤を行っています。特に最近では発酵プロセスに注目が注がれあらゆる技術が使われています。特にワイン製造からヒントを得た嫌気性のバクテリアを使った方法が昨今注目されています。そのほかにワイン、オレンジジュース、シナモンなどを直接醗酵槽に入れる方法など、まだまだ研究段階の技術もありますが、良いか悪いか別として1円でも高く売ろうと生産者は努力しています。2年産地にいかなければ全く現場が変わっているということもあるので、産地に足を運ぶ事の意義を知りました。

 

http://toacoffee-online.com/shopdetail/000000000411/ct4/page1/recommend/